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有益さマイナス5億

もはや鳥貴族ではない

 

「あ、鳥貴族さま…」

 

一緒に帰路を歩いていた同期が俄かにそう呟いた。同期の視線の先には鳥貴族の黄色い看板。

 

彼は鳥貴族の素晴らしさにいたく感動していた。安い•美味いの最高のコスパ、何よりも無限にお代わりできるキャベツ。4月から一人暮らしを始めたばかりの新卒男性は値段を気にせず野菜を摂取できる場所として、鳥貴族をとても有難がっていた。野菜不足よる慢性的な腸内環境の悪化、それに伴うとどまるところを知らないオナラに頭を悩ませていたのだから、キャベツを無限に提供してくれる鳥貴族を崇めるのも無理はない。

 

かと言って私たちはもろ手を挙げて鳥貴族を誉めそやしている訳ではない。無限にキャベツをお代わりしているクセに「座席が全く移動できないと席の稼働率悪くない?」などとイッチョマエなことをほざいたりもする。時に憧れ賞賛し、時にディスる。愚かな民衆の常である。

 

しかし私もなんだかんだ言っても鳥貴族が大好きだ。重ねて書くが美味しいのに安い。

 

「鳥貴族さま…」

 

そう呟いた同期に私は続いた。

 

「貴族…いやもはや貴族ではない…王族…」

「王族…」

「鳥王族さま…」

 

早く初任給でないかなあ。とろろ焼き5皿くらい食べたいなあ。